日本消化器外科学会雑誌
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胃癌患者の新しい予後予測法としてのニューラルネットワークの有用性について-ロジスティック回帰分析との比較
熊澤 伊和生平岡 敬正川口 順敬国枝 克行梅本 敬夫佐治 重豊
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2001 年 34 巻 5 号 p. 449-458

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抄録

はじめに: 胃癌治療に対するテーラーメードの医療を目指し, パターン認識に優れた数理学的モデルであるニューラルネットワークの予後予測法としての有用性を評価した. 方法: 術後胃癌患者672例に対しニューラルネットワーク (NN) とロジスティック回帰分析 (LR) を用いて術後1年3年時点での生死の予測をretrospectiveに行い精度につき比較検討した. 予後因子は腹膜転移, 肝転移, 深達度, リンパ節転移, 根治度, 郭清度, 年齢, 組織型, INF, ly, vの臨床病理学的因子で, 21の2値変数 (0, 1) にカテゴリー化したものを予測モデルの共変量とし, 適中率とROC解析 (Az値) で評価し, leave-one-out法にて検証した. 結果: 術後1年時点の適中率で学習検証結果ともにNNは有意に高値を示した (学習NN 90.0% vs LR 86.8%, 検証NN 88.1% vs LR 85.3%; ともにp<0.01). 術後3年でも比較的良好であった (学習NN 85.3% vs LR 83.9%, 検証NN 83.0% vs LR 82.7%). Az値では両モデルは同等の数値となった. 考察: ニューラルネットワークはロジスティック回帰と比べて同等かそれ以上の予後予測能力を示した. 今後, ニューラルネットワークは個々の術後患者のリスクを判定する指標としての有用性が期待される.

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