日本消化器外科学会雑誌
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Hinf3胆嚢癌の診断から1年経過後治癒切除しえた1例
高 順一上田 和光大掘 真毅草野 満夫
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34 巻 (2001) 6 号 p. 610-614

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抄録

診断時にHinf3の胆嚢癌で, 未治療にて約1年間経過観察の後, 根治切除しえた1例を経験したので報告する. 症例は79歳の女性, 平成10年10月腹痛出現. 他院で進行胆嚢癌の診断で経過観察となる. 約1年後, 精査治療目的で当科入院となった. 画像診断にて肝内側区から前区域にかけて約7cmの腫瘤を認めたがリンパ節転移や肝転移は認めず, 1年前より若干増大傾向のみであった. 胆道造影では胆嚢体~底部に著明な陰影欠損がみられたのみで他に異常はなかった. 血管造髪影でも腫瘤部にstainを認めるのみであった. 術中肝転移, 尾状葉浸潤, 胆管浸潤, リンパ節転移はないと判断し, 肝中央2区域切除術, リンパ節郭清 (D2) を施行した. 病理組織学的にも中分化型腺癌, hinf3, binf0, n0, bm0, hm0, em0であり根治的切除が得られた. 本症例をKi-67, p53, VEGFによる免疫組織学的検討を行ったところ生物学的低悪性度が示唆された.

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