患者は49歳の男性. 貧血のため大腸内視鏡検査を施行され, 下行結腸に亜有茎性の腫瘍を指摘された. ポリープ頭部はやや白色調で可動性があり, 隆起表面の粘膜膜様や光沢は比較的保たれていた. 下行結腸癌の疑いで, 結腸左半切除術を施行した. 腫瘍は大きさ22×18mm, 弾性軟で, 病理組織検査で隆起表面にクロマチンに富んだ核を持ち, 比較的均一な大きさの異型リンパ球が増殖していた. 中心部と茎部に硝子様線維結合組織の増生を伴う特異的な病理組織像を呈していた. 免疫組織化学染色で抗T細胞抗体 (CD3, MT1) に陽性で, 抗B細胞抗体 (L26, MB1) に陰性であった. リンパ腫細胞の浸潤はsm層までで, n (-), Lymphoma Study Group (以下, LSG) 分類で, 非ホジキン型悪性リンパ腫, びまん性中細胞型, T細胞性であった. 本症例は下行結腸原発, 亜有茎性, sm層までの浸潤, T細胞性の4点で極めて貴重と考えられた.