35 巻 (2002) 11 号 p. 1703-1707
症例は60歳の女性. 平成10年8月上行結腸癌の診断で右半結腸切除術を施行した. 病理組織学的所見は高分化型腺癌, mp, ly2, V0, n1, H0, P0, stage IIであった. 術後1年8か月目に肝S6, S8領域に転移を指摘され肝部分切除術を施行した. さらにその術後1年6か月目の超音波検査で, 右腎上極に接する40mm大の副腎腫瘍を指摘され, 短期間で急速に増大していることより右副腎転移を疑い手術を施行した. 病理組織学的に原発巣と同様の高分化型腺癌を認め, 他に転移・再発がみられないことより孤立性副腎転移と診断した. 術後経過は良好で第14日目に退院した. 現在, 術後6か月で再発徴候なく外来通院中である. 大腸癌の孤立性副腎転移に関する本邦報告例は自験例を含め19例のみであった. 手術侵襲は少なく長期生存例も認められることから, 積極的に外科的治療が選択されるべきであると考えられた.