患者は77歳の女性で, 1994年4月に集団検診で胃角部の異常を指摘され, 同年6月の胃内視鏡検査で大きさ3×3cm, 0-IIc, 生検で印環細胞癌と診断された. 治療目的で当院へ紹介されるも, 患者が治療を拒否したため, 経過観察となった. 2002年2月に上腹部痛で近医を受診し, 胃内視鏡, 胃X線検査で胃角部前壁にfoldの集中を伴う大きさ5×5cmの陥凹性病変を認め, 同部の生検で印環細胞癌と診断された. 画像診断で所属リンパ節転移や遠隔転移を認めなかった. 2002年2月に手術診断sT1 (SM), sN0, sH0, sP0, sM0, Stage Iaで幽門側胃切除, D2郭清を施行し, B-I法で再建した. 病理はsig, pType 0-IIc, pT1 (M), pN0, sH0, sP0, sM0, Stage Iaであった. ある種の早期胃印環細胞癌は長期間粘膜内に留まり, 進行しないことが示唆された.