日本消化器外科学会雑誌
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Print ISSN : 0386-9768
肝エキノコッカス単包虫症の1手術例
小淵 岳恒小西 小百合天谷 博一白石 享下松谷 匠丸橋 和弘中川 隆弘
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37 巻 (2004) 12 号 p. 1834-1838

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抄録

肝エキノコッカス単包虫症は本邦ではまれな疾患であるが, 海外渡航者の増加, 汚染地域からの移住者の増加により, 本邦での増加が考えられる. 今回, 肝エキノコッカス単包虫症の1手術例を経験したために報告する. 症例は55歳のペルー人女性で, 発熱, 上腹部痛を主訴に当院を受診した. 来院時, 低血圧, 頻脈を認め, 腹部中心に全身に発赤, 疼痛, 掻痒感を認めアナフィラキシーショック状態であった. 血液検査所見では炎症所見は認めず, 低酸素血症を認めた. 画像所見では, 腹部超音波, CT, MRにて肝外側区域に8cm大の嚢胞または膿瘍性病変が認められた. エコーガイド下に肝膿瘍ドレナージ施行したところ, 黄褐色の液体を採取し, 検鏡したところ単包虫を認めた. アルベンダゾール内服とし, 待機的に肝外側区域切除術を施行した. 肝嚢胞性疾患において本症例を念頭におき診断, 治療を行う必要がある.

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