日本消化器外科学会雑誌
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脾動脈の硬化性変化により主膵管に穿通をきたしたhemosuccus pancreaticusの1例
根塚 秀昭薮下 和久北條 荘三井口 雅史藤田 秀人山本 精一加治 正英前田 基一小西 孝司
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37 巻 (2004) 12 号 p. 1883-1887

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抄録

主膵管を経て消化管に出血する病態はhemosuccus pancreaticusと呼ばれ, 原因は膵仮性 胞内への脾動脈瘤の穿破が最多とされる. 今回, 我々は膵 胞性病変や動脈瘤を認めず, 動脈硬化性変化に基づく微小な破綻によって主膵管に出血した極めてまれな症例を経験したので報告する. 症例は79歳の男性で, 平成8年より度重なる吐下血をきたし精査受けるも原因は不明であった. 平成13年11月, 当院内科を紹介受診, 上部消化管内視鏡にて十二指腸主乳頭からの血液流出を認めhemosuccus pancreaticus と診断された. 血管造影検査にて出血部位が特定できず, 症状が増悪するため膵全摘術を施行. 病理学的に脾動脈の硬化性変化に基づく主膵管への微小な穿破が出血の原因と診断された. 出血源を特定できない消化管出血には本症を疑う必要があると思われた. また, 膵機能を考慮した治療法に関し今後も検討が必要と思われた.

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