日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
下腹部外傷, 骨盤骨折による壊死型虚血性腸炎, colon cast排泄の1救命例
森脇 義弘金谷 剛志小菅 宇之山本 俊郎杉山 貢
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37 巻 (2004) 12 号 p. 1914-1919

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抄録

重症骨盤骨折に合併した下腹部骨盤内血行障害に基づく直腸S状結腸壊死型虚血性腸炎でcolon castを排泄した1例を経験した. 66歳の男性で, 重量約2トンのショベルカーに腰背部から轢かれて受傷. 受傷直後は, 直腸損傷を疑わせる所見はなかったが, 第25病日肛門から160cmの管腔状壊死腸組織 (colon cast) を排泄. 第30病日内視鏡検査で直腸S状結腸壊死穿孔と診断し緊急手術とした. 限局した小骨盤腔膿瘍を認め, 横行結腸に双孔式人工肛門を造設した. 骨盤外傷患者は, 整形外科や救急・集中治療領域の診療科の管理下に置かれることが多く, 心臓血管外科の管理下にある腹部大動脈領域手術後患者と同様, 血行障害に基づく左側結腸・直腸の合併症が発生した場合, 消化器系医師に特殊病態下での消化器関連合併症という専門知識が要求される. まれな病態ではあるが消化器系医師の専門知識として念頭に置かなくてはならないと思われた.

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