日本消化器外科学会雑誌
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術後病理診断にてsplenic marginal zone lymphomaと診断されたITPの1症例
田中 麻紀子内藤 弘之山本 寛丹後 泰久谷 徹石田 光明九嶋 亮治岡部 英俊
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2005 年 38 巻 12 号 p. 1816-1820

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抄録

症例は30歳の女性で, 5年前より特発性血小板減少性紫斑病 (idiopathic thrombocytopenic purpura; 以下, ITP) の診断のもと, 当院内科にて副腎皮質ステロイドによる治療が行われていたが, 血小板数の改善は不良であった. 今回, 血小板数が0.7×104μlまで減少したために脾臓摘出術を目的として当科外科に紹介となった. 術前にγ-グロブリン製剤の大量療法を施行したが血小板数の上昇は2.4×104μlにとどまった. Hand-assisited laparoscopic surgery (以下, HALS) による脾臓摘出術を施行し, 摘出脾臓の病理診断でsplenic marginal zone lymphoma (以下, SMZL) の診断を得た. SMZLは自己免疫性疾患の合併が報告されており, また本症例で脾臓摘出後に血小板数以外にPAIgG値の正常化が見られたことより, 本症例のITPはSMZLに伴って発症した可能性が示唆された. また, 脾臓摘出症例には本症例のような場合が存在し, 術後病理診断を確実に行うことが必要であると思われた.

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