日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
進行胃癌に対する術前短期化学療法の有用性の検討
アポトーシス誘導および細胞増殖能を指標として
十川 佳史今野 元博塩崎 均大柳 治正
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38 巻 (2005) 4 号 p. 385-393

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抄録

進行胃癌に対し, 術前短期化学療法 (short Neoadjuvant Chemotherapy: 以下, s-NACと略記) を施行し, 原発巣ならびに転移リンパ節における効果を検討した. 方法: 進行胃癌98 症例を対象とし, 5-FU単独投与群20例, 5-FU+CDDP併用投与群 (以下, FC 群と略記) 34例, CDDP単独投与群15例, 化学療法未施行群29例に分類. 各群の原発巣およびリンパ節を用いてアポトーシス誘導, 細胞増殖能を検索した. また原発巣におけるアポトーシス関連遺伝子の発現も検索した. さらに抗サイトケラチン抗体を用いてリンパ節微小転移の有無を検索した. 結果: FC群で有意に原発巣および転移リンパ節にアポトーシスが誘導され, 細胞増殖能が抑制された. p53 wild type, p21 およびBax発現はFC群で有意に陽性例が多かった. またFC群では, HE染色で確認されるリンパ節転移 (以下, HE (+) と略記) は少なかったが, 微小転移 (以下, MM (+) と略記) は多かった. 考察: 進行胃癌に対するs-NACとして5-FUとCDDP を併用投与すると5-FU 単独投与, CDDP単独投与に比べて, 原発巣ならびにリンパ節の癌細胞により高度なアポトーシス誘導と細胞増殖能の抑制が起こり, HE (+) をMM (+) に縮小している可能性が推察された.

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