日本消化器外科学会雑誌
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Print ISSN : 0386-9768
保存的に改善した子宮留膿腫による直腸子宮瘻の1例
柴田 伸弘佛坂 正幸自見 政一郎島 雅保森 洋一郎岩村 威志千々岩 一男
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38 巻 (2005) 8 号 p. 1395-1399

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抄録

子宮留膿腫は高齢女性に多くみられる疾患で, まれに腹腔内に穿破し腹膜炎を起こすことがある. 今回, 我々は急性腹症により発症し, 保存的に改善した子宮留膿腫による直腸子宮瘻の1例を経験したので報告する. 症例は61歳の女性で, 2003年5月, 下腹部痛・嘔吐が出現した. 来院時は下腹部に筋性防御がみられ, CTでは直腸と子宮が交通している所見がみられた. 大腸内視鏡では直腸に径2cmの瘻孔を認め, 瘻孔からは子宮内腔が観察され, 子宮留膿腫の直腸穿破と診断した. 発症から約1か月後の大腸内視鏡・注腸検査で瘻孔は縮小傾向にあり, CTでは肥大した子宮の内腔にair densityと液体成分の貯留を認めた. 子宮頸管の癒着による閉鎖がみられたため, 頸管拡張術を施行し経過観察したところ, 症状の再燃はみられなかった. 子宮留膿腫による直腸子宮瘻は適切なドレナージで保存的に閉鎖が期待できるが, 慢性化する可能性もあり, 慎重な経過観察が必要である.

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