日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
TS-1/CDDP併用療法にて長期CRを維持し切除にて病巣消失を確認された進行胃癌の1例
杉木 孝章井上 達夫梁取 絵美子上小鶴 弘孝小熊 英俊高崎 健
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39 巻 (2006) 1 号 p. 38-43

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抄録

症例は59歳の男性で, 大動脈周囲リンパ節を含む多発リンパ節転移を伴う進行胃癌を認め, 根治切除困難と判断しTS-1 100mg/day4週投与, CDDP60mg/body3回投与 (Day7, 14, 21) の化学療法を1クール施行した. Grade3の血小板減少を伴うも原発巣とリンパ節は著明に縮小し, その後, 外来でTS-1 100mg/day4週投与, CDDP10mg/body2回投与 (Day1, 15) を計8クール施行した. 副作用はなく内視鏡検査上潰瘍面は瘢痕化して生検で癌細胞を認めずCT上13か月間CRを維持されたが, grade1の神経障害が出現しTS-1投与は中止とした. その後5か月間の休薬中もCRは維持されたが, 消化管造影検査にて胃が砂時計様に変形し癌の残存も懸念されたため手術を施行した. 原発巣とリンパ節は線維組織に置換されて癌細胞を認めずGrade3であった. TS-1/CDDP併用療法は高度リンパ節転移を伴う進行胃癌症例に対し手術を施行せず治癒せしめる可能性があると考えられた.

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