39 巻 (2006) 2 号 p. 176-182
右胃大網動脈 (right gastroepiploic artery; 以下, RGEA) を使用した冠状動脈バイパス手術 (coronary artery bypass graft; 以下, CABG) 後の胃癌に対し胃切除術を施行した症例を3例経験した. 症例1は75歳の男性で, 平成9年2月, RGEAなどをグラフトに用いCABG2枝を施行した. 21か月後, 胃前庭部に2型病変を指摘され, 経皮経管的冠状動脈形成術を施行後, 幽門側胃切除D2郭清を行った. 症例2は70歳の男性で, 平成15年4月, RGEAなどを用いたCABG2枝を施行した. 13か月後, 胃角部にIIc病変を指摘され, 再CABG施行後幽門側胃切除D2郭清を行った. 症例3は59歳の男性で, 平成11年1月, RGEAなどを用いたCABG3枝を施行した. 5年4か月後, 胃前庭部に2型の病変を指摘され, 再CABG施行後幽門側胃切除D2郭清を行った. RGEAを使用したCABG後の胃癌手術では, RGEAによらない右冠動脈領域への血行再建を先行させ, 2期的に胃癌手術を行う方法が安全確実であると考える.