日本消化器外科学会雑誌
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胆管悪性黒色腫の1例
星 光世齋藤 雄康安西 良一丹野 弘晃
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2006 年 39 巻 3 号 p. 317-322

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抄録

胆管原発悪性黒色腫はまれな疾患で, 悪性度が高く術後早期に再発を来し死亡に至る症例が報告されている. 症例は55歳の男性で, 全身倦怠感と黄疸で発症した. 腹部のUS, CTやMRCPおよびERCPとPTBDからの同時造影で中部胆管に約3cmの腫瘍性病変を認めた. 中部胆管癌を疑い胆管切除とリンパ節郭清を施行した. 標本は黒色の隆起性腫瘍で, 病理組織学的に悪性黒色腫の診断を得た. 術後, 全身の皮膚検索とF-18fluorodeoxyglucose positron emission tomography (以下, FDG-PETと略記) を行い, 他に原発となる病変がないことから胆管原発と診断した. また, 肝臓に一致した多発性の高集積像を認め, 腹部CTでも術前に見られなかった多発腫瘍があり肝転移と診断した. DAV療法を施行したが効果なく, 術後4か月で死亡した.胆管悪性黒色腫は本症例を含め12例の報告のみで, 診断や治療は確立しておらず, 今後の検討が重要である.

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