日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
肝膵切除術後乳糜腹水症例の検討
黒田 新士青木 秀樹塩崎 滋弘原野 雅生佐々木 寛小野田 正大野 聡桧垣 健二二宮 基樹高倉 範尚
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39 巻 (2006) 5 号 p. 631-636

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抄録

乳糜腹水は術後に比較的まれに認められる合併症とされているが, 蛋白・リンパ球漏出に伴う栄養・免疫面での問題を生じうる. 2001年4月から2004年3月までに当科において施行された肝膵切除術後に乳糜腹水を認めた症例を対象とし, その臨床的特徴および治療法について検討を行った. 乳糜腹水の合併は204例中7例 (3.4%) に認められ, 決してまれな合併症ではないと考えられた. また, 乳糜腹水量1日最多量と血中最低アルブミン値を2変数とした回帰分析では有意が認められ, 乳糜腹水量の減少が栄養状態の改善に必要であることが示唆された.治療法としては, オクトレオチドの投与が有効で, 投与を試みた6例全例において3日以内に著明な乳糜腹水量の減少を認めた. 栄養状態の改善のためにも, 早期からの積極的なオクトレオチドの投与が必要と考えられた.

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