日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
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胃全摘後Roux-Y 脚の器械吻合部の閉塞により輸入脚症候群を来した1例
諏訪 裕文馬場 信雄近藤 雅彦小林 久人雑賀 興慶大江 秀明吉川 明石上 俊一田村 淳坂梨 四郎
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40 巻 (2007) 6 号 p. 705-710

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抄録

症例は50歳の男性で, 胃全摘術(Roux-Y再建)の9か月後に腹部膨満感と全身倦怠感を主訴に来院した. 腹部CTおよび超音波検査で, Y脚の著明な拡張が認められ輸入脚症候群と診断した. 透明キャップ装着小腸内視鏡を施行したが, 胃全摘時に器械吻合を施行した挙上空腸(Roux脚)とY脚との吻合口は同定できず内視鏡下の吻合部拡張術は断念した. 全麻下に開腹したところ, 吻合部は閉塞していたため, 吻合部を切除し新たな空腸空腸吻合部を作成した.病理組織学的に, 吻合部には粘膜と筋層による閉塞が認められた. Roux-Y脚の器械吻合に関して, 知見の集積により今後さらに工夫を重ねることが必要であると考えられる. 胃全摘, Roux-Y再建術後に腹部膨満が観察される場合には, 極めてまれではあるが, 本病態も念頭におく必要があり, 早期にY脚の拡張を発見することが重要である.

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