40 巻 (2007) 6 号 p. 734-740
症例は67歳の男性で, 褐色尿と黄疸に気づき近医受診. 閉塞性黄疸と診断され, 緊急入院となった. 腹部CTにて膵頭部腫瘍を疑われた. Magnetic resonance cholangio-pancreatography (MRCP)にて膵頭部に多房性の. 胞状病変および膵体部に直径3cm, 尾部に直径6cmの. 胞状病変を認めた. 膵癌および膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary-mucinous tumor; 以下, IPMT)の合併と診断し, 膵全摘術を施行した. 病理組織学的検査では, 膵頭部は膵管内乳頭粘液性腺腫(intraductal papillary-mucinous adenoma; 以下, IPMA) とそれに隣接する通常型の中分化型腺癌, 膵体尾部は多発するIPMAと診断された. 最近, IPMTに他臓器癌が合併することが報告されている. また, IPMTを合併した膵管癌の本邦報告例が散見されており, 文献的考察を加えて報告する.