41 巻 (2008) 4 号 p. 393-398
症例は60歳の男性で, めまい, タール便を主訴に来院した. 血液検査で貧血と高CEA血症を認め, 上部内視鏡検査, CTで多発肝転移とリンパ節転移を伴う胃癌と診断され, まずlowdose 5-fluorouracil (以下, 5-FU)/CDDP療法を行った. その結果, PRの効果を得たので幽門側胃切除術, D2郭清, 肝部分切除術を施行した. 5-FU肝動注を8か月行ったが, 術後1年8か月, 肝転移を生じ, 5-FU肝動注を再開. 効果NCで, 単発のため再度肝部分切除術を行った. 初回手術より7年半経過した現在, 再発なく, CEAも正常で健在である. 胃癌肝転移症例の中には本例のように, 積極的な集学的治療を行い, 長期生存を得るものもあり, 胃癌の肝転移だからといって諦めるべきではない.