原発性食道癌切除標本において術前コバルト照射療法ならびに抗癌剤療法の影響を除外できる扁平上皮癌146例を選んで病理組織学的に検索し, 組織学的深部進展様式を4型に分類した. すなわち, 癌浸潤が固有筋層に入つていないか, 入つていてもわずかで, 主として粘膜下層にとどまる表在性のものを0型, 癌浸潤が粘膜面に広く外膜面方向へ狭い杯型の発育を示すものをI型, 癌浸潤が円筒型ないしビヤ樽型の発育を示すものをII型, および癌浸潤が粘膜面にくらべ外膜面での浸潤傾向の強い山型の発育を示すものをIII型とした. この分類を中心に臨床的病理組織学的に検討したところそれぞれの型に形態学的ならびに生物学的に特徴ある所見をえた.