弗化水素酸(HF)の皮膚接触を受けたマウスの腹腔内に放射性グルコースを投与し,その接触時間によるグルコース代謝への弗化水素酸の影響を全身オートラジオグラフィーを用いて検討し,また同時に主要臓器中の弗素量の定量を行なった。その結果,次の諸点が明らかになった。
1) 脳についてはHF処理群における放射性グルコースからの放射性炭素の脳への取り込み率,脳中弗素量ともに対照群に比較し変化がなかった。
2) 肝,肺,腎皮質,血液の放射能はHF処理群において対照群と比較した場合,有意の上昇が認められた。
3) これに対してハーダー氏腺,口蓋腺,舌下腺,大腸粘膜はHF処理群において有意に放射能の減少がみられた。
4) HFの皮膚接触は投与された放射性グルコースの腹腔よりの呼吸能力を減少させた。