日本衛生学雑誌
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都市郊外における空気中細菌フロラの変動性とフロラ内薬剤耐性Staphylococcusの分布
茅原 四郎染谷 孝
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1989 年 44 巻 3 号 p. 756-762

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抄録

地表表層に近い空気中細菌のフロラを産業医科大学構内の6地点で調査した。細菌は地上1mの位置で,ゼラチンフォームフィルターを使用した空気濾過法で捕集し,生菌数はシクロヘキシミド50μg/mlを添加した普通寒天培地で計数した。
1地点における空気中の細菌フロラの調査結果では,Gram陽性球菌と桿菌がフロラの大半を占めていた。しかしながら,両者の比率の変動は著しく,20回の測定値の平均でGram陽性球菌42%,桿菌37%の結果を得た。両菌群の変動範囲からこの地点におけるGram陽性球菌は桿菌に比較してより変動性の大きい菌群と考えられる。
6地点における観察結果から空気中の細菌フロラのGram陽性球菌と桿菌の分布比が地表の植性に対応している事が示唆された。即ち,植物生育地域内及びこれに近い地点ではGram陽性球菌と桿菌の分布比がほぼ等しい値を示したが,裸地又はこれに準ずる地点ではGram陽性桿菌の比率が球菌より高い値を示した。
キャンパス内の2地点で分離した空気中のS. xylosusについて抗生物質耐性菌の分布を調査したが,50%以上の菌がTC, DoXY耐性を示した。またEM, TCにMIC 100μg/mlを示す菌株も分離された。

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