医療経済研究
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診療特性を考慮した国公立・準公立・民間病院の技術的効率性比較-DPCデータによる急性期病院の類型化-
廣瀬 聡
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: 2026.03

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抄録

目的

 わが国の医療提供体制は、人口高齢化の進展と医療需要の多様化・複雑化に直面しており、限られた医療資源をいかに効率的に活用するかが重要な政策課題となっている。特に近年は、地域医療構想のもとで病床機能の分化や医療機関の役割分担が進められており、急性期医療を担う病院の技術的効率性をどのように評価するかは重要な論点である。こうした中、設置主体の違いに着目した技術的効率性分析が行われてきたが、病院間で異なる診療内容の構成が十分に考慮されていない可能性がある。そこで本研究では、急性期病院における設置主体間の技術的効率性の違いについて、Diagnosis Procedure Combination(DPC)データに基づく診療特性を考慮して分析することを目的とする。

 

対象と方法

 令和4年度のDPCデータ等を用いた。主要診断群分類(Major Diagnostic Category, MDC)01〜18の疾患領域別患者構成および診療活動に関する指標から42の臨床指標を作成し、クラスター分析により急性期病院を診療特性に基づいて類型化した。その結果、多機能型の急性期病院は主として「がん重点型」と「救急重点型」に分類された。次に、医師数、看護師数、病床数を投入要素、手術なし退院患者数、手術あり退院患者数、年間外来患者延べ数を産出物とするSlacks-Based Measure(SBM)モデルにより技術的効率性スコアを算出した。さらに、技術的効率性スコアを被説明変数とするTobitモデルを用いて、設置主体および関連要因が技術的効率性に与える影響を分析した。

 

結果

 分析の結果、がん重点型病院では、設置主体による技術的効率性の有意差は確認されなかった。一方、救急重点型病院では、国公立病院および準公立病院の係数が負で有意であり、民間病院の技術的効率性が相対的に高い可能性が示された。

 

結論

 急性期病院における設置主体間の技術的効率性の違いは、診療特性によって異なる可能性が示された。急性期病院の技術的効率性を検討する際には、設置主体の違いのみではなく、診療特性に配慮した比較が重要である。本研究は、DPCデータに基づいて病院の診療特性を把握し、類似した病院群の中で設置主体間の技術的効率性を比較した点に意義がある。

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