31 巻 (2005) 3 号 p. 347-351
当科で施行した可動部舌癌に対するpull through手術による摘出,舌再建術後の局所合併症の発生について検討を行なった。1998年から2004年の7年間にpull through手術を行なった可動部舌癌症例52例(23-82歳)を対象とした。術後局所感染の発生は13例(25%)に認めた。術式別には舌半切34%(9例/26例),亜全摘で17%(4例/23例),再建術式別には大胸筋皮弁で33%(5例/18例),遊離腹直筋皮弁で17%(4例/23例),一次縫縮症例で33%(3例/9例)であった。摘出範囲,再建術式,手術時間,術中出血量は局所合併症(感染)の発生率に影響を与えていなかった。術前照射群は術後局所感染発生率が高い傾向にはあったが統計学的な有意差はなかった。死腔の充填,術後の的確なドレーン留置,術後の安静など手術手技,周術期管理が大切であることが示唆された。