頭頸部癌
Online ISSN : 1881-8382
Print ISSN : 1349-5747
ISSN-L : 1349-5747
頭頸部癌化学放射線療法の位置づけと今後
頭頸部外科医が行う化学放射線療法
―その有効性と安全性―
松浦 一登嵯峨井 俊片桐 克則今井 隆之石田 英一志賀 清人西條 茂
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 37 巻 4 号 p. 454-459

詳細
抄録

同時併用化学放射線療法(CCRT)は,局所進行頭頸部癌への標準治療として認められてきている。当科では年間約230例の手術を行う一方で,40~50例のCCRTを行っている。高用量CDDPを用いたCCRTは,今では局所進行頭頸部扁平上皮癌に対する非手術治療での標準治療であるが,我々も適格症例に対して施行し,全例予定量(70Gy)の照射と2コース以上の化学療法を行うことができた。十分な支持療法の下ならば本法は可能であり,人種差を考慮した薬剤減量は必要なく,日本人でも耐えられると考えられた。今後,多くの施設での採用が望まれる。新規のCCRTメニューは前向き臨床研究により作られており,多施設共同研究であることが求められる。プロトコール作成において外科医の立場から意見を述べることは必要であるが,その作成は腫瘍内科医に任せることが重要と考える。我々頭頸部外科医は,頭頸部癌患者に対する治療チームを作り,治療計画のコントロールタワーとなるべきである。

著者関連情報
© 2011 日本頭頸部癌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top