抄録
本研究では口腔扁平上皮癌に対するBortezomibのTS-1増強効果とそのメカニズムについて検討した。口腔扁平上皮癌細胞株HSC2,HSC4をBortezomib(10ng/ml)と5-FU(2μg/ml)の併用にて処理したところ,それぞれ単独と比較して,有意な細胞増殖抑制効果,ヘキスト染色による顕著なDNA断裂化,さらにウエスタンブロット法によるp-p65,Beclin-1,LC-3の発現減弱が見られた。
またヌードマウス背部皮下にHSC2,HSC4を移植後,Bortezomib(0.5mg/kg/日,3回/週,3週間腹空内投与)とTS-1(6.9mg/kg/日,7回/週,3週間経口投与)との併用により顕著な抗腫瘍効果の増強が認められ,残存腫瘍において免疫組織染色によりp-p65,Beclin-1,LC-3の発現減弱が見られ,TUNEL法によりTUNEL陽性細胞の増加が見られた。以上の結果から,口腔扁平上皮癌に対するBortezomibとTS-1併用効果にはアポトーシスの増強ならびにオートファジーの抑制の関与が示唆された。