2019 年 45 巻 4 号 p. 408-415
Modified Glasgow Prognostic Score(mGPS)は,血清albumin(Alb)値とC反応性タンパク質(C-reactive protein:CRP)値を測定し,がん患者の悪液質状態をスコア化し評価する目的で提言された。 われわれは,化学・放射線同時併用療法 (CCRT)で一次治療を行ったstageⅢおよびⅣAの進行頭頸部扁平上皮がん74例を対象とし,初診時およびCCRT後のmGPSを調べ,がん悪液質およびCCRTに起因する低栄養と生存率の関連を統計的に検討した。 その結果,stageⅣA特に下咽頭・中咽頭がんの患者においてmGPSは臨床病期と異なる生存予後の危険因子となり,初診時に悪液質状態にある患者は速やかな脱却を,またCCRT治療後は早期に血清Alb値を正常に復帰させ低栄養の改善を図ることが,良好な予後に寄与する可能性があることが明らかとなった。