喉頭全摘出した transglottic cancer 20例の連続切片標本を作製し, 臨床病理学的に検討した。paraglottic space 浸潤は全例に, preepiglottic space 浸潤, 粘膜下進展, 甲状軟骨浸潤は半数に認められ, 深部浸潤傾向が顕著であった。臨床的にT2, T3でも, 甲状軟骨浸潤が半数に認められたので, 放射線治療や部切の選択の際には, この点に留意しなければならない。声門上癌よりも深部浸潤傾向が強く, 軟骨浸潤形式も異なっていた。声帯固定例では披裂軟骨浸潤が全例に, 輪状披裂関節浸潤が75%に認められた。リンパ節転移率は30%であり, 転移群では深部浸潤傾向が強かった。喫煙者率は100%であり, 発癌要因として喫煙の関与が大きいと考えられた。