われわれは, 1980年以来, 104症例に対してさまざまな放射線治療補助装置を製作してきた。これらには線源を正確な位置に固定し, 確実な線量分布を得ることを目的とした carrier, その機能に正常周囲組織の防御の機能を併せ持った mould, 舌癌の密封小線源治療の際に下顎骨を保護する目的に使用される spacer, 照射部位から正常周囲組織を保護する protector がある。上記の症例にはこれらの裝置を用いることにより, 腫瘍組織に対しては予定した線量を与えつつ, 正常周囲組織に対しては可及的に被曝を減少させることが可能であった。放射線治療補助裝置は応用範囲が広く, 放射線治療の適用範囲を広げ, その利点を最大限に引き出すのに有効であると考える。