頭頸部腫瘍
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唾液腺腫瘍からの Epstein-Barr ウイルスゲノムの検出
PCR法と in situ hybridization 法による
平良 晋一奥田 稔
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1993 年 19 巻 2 号 p. 273-276

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抄録
Epstein-Barr ウイルス (EBV) と唾液腺腫瘍の関連を調べるため Polymerase chain reaction (PCR) 法と in situ hybridization (ISH) 法で唾液腺腫瘍組織からウイルスDNAの検出を試みた。PCR法では多形腺腫26例中2例, ワルチン腫瘍7例中7例, 粘表皮腫瘍5例中2例, 正常唾液腺組織20例中5例にウイルスDNAが検出されたが, ワルチン腫瘍では濃いバンドが検出され他より多くのウイルスDNAが存在すると考えられた。ISH法ではワルチン腫瘍の腺腫の部分にウイルスDNAが検出された。以上の結果からワルチン腫瘍の発生にEBVがなんらかの役割を果たしている可能性があると考えられた。
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© 日本頭頸部癌学会
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