頭頸部腫瘍
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頸胸部領城食道癌
食道外科の立場から
遠藤 光夫吉野 邦英河野 辰幸井上 晴洋
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1993 年 19 巻 3 号 p. 310-315

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抄録

頸胸部食道癌の外科治療を食道外科の立場からみてみた。luCe 癌では, リンパ節郭清は No. 106と No. 101, No. 102 (中・下部), No. 104 の郭清が重要であった。切除に際し, できるだけ喉頭を温存するようにしている。高位吻合による誤嚥の問題も慣れてくるとおこらなくなる。喉頭温存のために, シスプラチン, 5-Fuのネオアヂュバンド療法も1つの手段である。なお, 咽頭吻合を行う症例で, 頸部まで伸展不良例には, 胃と空腸との複合再建を行っている。食道癌と頭頸部癌との重複癌は最近増加している。同時性重複癌の治療として, 食道癌が表在癌の場合, 非開胸食道抜去による食道全摘を行ってきたが, 最近は, m癌予測のものには, 胸部食道をのこし内視鏡的粘膜切除術を行い, QOLを高めている。

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© 日本頭頸部癌学会
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