1994 年 20 巻 1 号 p. 154-159
頭頸部癌放射線照射後再発例で, 頸動脈浸潤が疑われる場合, 血行再健術なしで頸動脈切除が可能であるか, つまり頸動脈の結紮切除により, 重篤な神経症状が出現するかどうかを, 事前に予知する必要がある。頭頸部癌放射線照射後再発例で頸動脈浸潤の疑われた5例について, 頸動脈の結紮切除が可能であるかどうかを検討するため, Balloon occlusion test を施行し, 各種モニターを用いて検討した。全例とも血行遮断が可能と判断された。うち2例に対し頸動脈の結紮切除術を施行したが, 特に重篤な神経症状の出現を認めなかった。