1994 年 20 巻 1 号 p. 23-27
現在, CDDPを含む多剤併用療法のなかでCDDP+5-FU併用療法 (CF療法) は高い臨床効果を示し, 広く用いられている。しかし, 従来のCDDP先行投与より5-FU先行投与の方が理論的に効果があると判断し5-FU先行投与のCF療法を試みた。さらに, 5-FUの biochemical modulator として leucovorin を併用した。対象は19例の頭頸部癌再発症例並びに根治不能例でCDDP先行群10例, 5-FU先行群9例である。抗腫瘍効果はCDDP先行群PR5例, NR5例で奏効率50%, 5-FU先行群CR1例, PR6例, NR2例で奏効率77.8%となった。また, 副作用は2群間で差はなかった。
以上の結果より5-FU先行型CF療法の有用性を認めた。