頭頸部腫瘍
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中咽頭扁平上皮癌の放射線治療
渋谷 均竹田 正宗松本 悟
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21 巻 (1995) 1 号 p. 161-165

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抄録

中咽頭癌の放射線治療は外部照射にて行われることが多い。しかし外部照射では治療後に唾液腺分泌, 味覚, 顎関節などの障害を伴い易く治療後のQOLは必ずしも満足できるものではない。このため当科では1970年代より中咽頭癌の根治治療に永久刺入線源であるAu-198線源を使用してきた。その結果は2年非再発率でT1: 100%, T2: 76%とこれまでの外部照射での成績より約10%程度上回るものであり, 最も良い手術成績にも遜色ないものであった。危惧された放射線潰瘍や骨壊死などの合併症は全期間で14%発生したが線量の再検討後の後半では半分以下であった。小線源を中心とする放射線治療は形態, 機能温存を特徴とする治療であり, 合併症や年齢によっての治療適用除外例がなかったことを考慮すると充分批判に耐える治療結果であった。
なお頸部リンパ節転移は原発巣の治療前後に70%の症例に認められ, 手術, 放射線とも60%近い治療成績であった。また中咽頭癌では食道癌, 口腔癌など上部気道消化管を中心に16%の症例に重複癌の発生があり, 食道癌, 肺癌での予後は不良であった。

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