頭頸部腫瘍
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頭頸部癌に対する高線量率分割組織内照射について
井上 武宏井上 俊彦
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1995 年 21 巻 3 号 p. 585-590

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抄録

Phase I/II study の結果に基づいて, 1992年1月より1993年12月までに48例, 49部位の頭頸部癌に対してマイクロセレクトロンを用いて高線量率分割組織内照射を行った。高線量率分割組織内照射による舌癌の局所制御率は 226Ra 針や 192Ir ヘアーピンを用いた低線量率組織内照射より良好であった。高線量率分割組織内照射には3つの大きな利点がある。1) 治療中にガイドチューブが動かないことにより正確な線量分布の把握が可能である。2) 連結ダブルボタン法により LDR より良好な線源配列が可能である。3) 線量分布に関する最適化プログラムにより, より均一な線量分布が得られる。高線量率分割組織内照射は従来の低線量率組織内照射に代替しうるものである。

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© 日本頭頸部癌学会
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