1995 年 21 巻 3 号 p. 591-595
重粒子線は, 物理的線量分布に優れ, 又, 生物学的効果が高く, 従来の光子線などで難治の腫瘍に対し, より良い治療効果をもたらすことが期待されている。1994年6月より放医研にて, HIMAC (Heavy Ion Medical Accelerator in Chiba) を使用した進行頭頸部癌に対する Phase I/II 臨床試行研究が開始された。290MeV/u 炭素イオンを使用して1995年2月までに21例が照射されたが, 1994年8月までに照射された初期の3症例では, その正常組織反応は予測通りかやや弱い印象があり, 又, 腫瘍反応は照射終了時は PR であったが, 終了6ヵ月後ではほぼ CR に近い反応を示している。