頭頸部腫瘍
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早期喉頭癌の放射線治療
照射野因子に関する検討
茶谷 正史又吉 嘉伸真崎 規江手島 昭樹井上 俊彦
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1996 年 22 巻 1 号 p. 127-130

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抄録

早期喉頭癌 (T1N0M0) 273例につき照射野の大きさにより分けた2群 (A群: 5×5cm2, B群: 6×6cm2) の prospective randomized trial を行った。5年非再発生存率はA, B両群とも87%で両群間に有意の差はなかった。局所再発はA群20例, B群19例に認められ, 喉頭全摘を受けたA群の1例, B群の2例が手術後に遠隔転移あるいは局所再発にて死亡した。また喉頭の部分切除例と放射線治療による局所制御例を合わせた喉頭温存率はA群92%, B群93%であった。治療後の軽度の慢性障害はA群17%, B群23%でB群に有意に多い傾向がみられた (p=0.038)。wedge filter と shell 使用のもとでは, 5×5cm2の照射野は6×6cm2に比べて治療成績に差はなく, 軽度の慢性障害の少ない点で優れていた。

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© 日本頭頸部癌学会
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