頭頸部腫瘍
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Neoadjuvant Chemotherapy における1クール目と化療終了後の効果の相関
柘植 勇人植田 広海高橋 正克柳田 則之
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1996 年 22 巻 1 号 p. 144-151

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抄録

Neoadjuvant Chemotherapy (NAC) をより有効に用いるには, その効果をできれば早く見極めたいと考え, 1クール目の効果で, 化療を続行する適否を判断できないか検討した。対象は, 1988~1994年に, 当科で初治療を行った頭頸部扁平上皮癌症例のうち, 同一メニュー, 同量でCDDPを含むNACを2クール以上施行した40例である。そして, 1クール目と化療終了時の効果をそれぞれ原発巣, リンパ節転移, Total に分け評価検討した。その結果, 1クール目の効果がPR以上でなければ, 化療終了後にCRに到達しなかった。1クール目の効果がMR未満の時は, 化療終了後にPRに到達する事さえまれなため, 2クール目はキャンセルするべきと思われた。1クール目の効果は, 化療終了後の効果と同様, 生存率に影響を与えていた。原発巣と Total においては, 2クール目にようやくPRに到達した程度では, 生存率の向上に貢献していない可能性が高い。

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© 日本頭頸部癌学会
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