頭頸部腫瘍
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舌癌における原発巣の深さは転移予知因子となりえるか
新谷 悟松浦 秀博長谷川 泰久
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1996 年 22 巻 1 号 p. 180-184

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抄録

舌癌原発巣の深さは転移予知因子の一つであることを明らかにした。外科治療のみを行った70例の, 頸部転移陽性31例の深さの平均値は12.1mm, 陰性39例では6.1mmであった (p<0.05)。また, 遠隔転移発生の有無では20.2mmに対し6.6mmであった (p<0.01)。N0例の転移後発を高率に予知できれば選択的郭清の適応を決めるのに役立つ。70例のT1, 2N0 41例を深さ5mm未満と5mm以上に二分して頸部転移後発率をみると4% (1/26) と60% (9/15) であった (p<0.05)。術前の深さを知るために最近の17例に対し, 超音波診断を試みた。病変部は明瞭に描出され, 腫瘍の深さはmm単位で計測できた。さらに, 超音波エコーによる病巣の深さ (Y) は病理組織標本上の測定値 (X) とよく相関したことから (Y=0.792X), 術前の超音波エコーで, 深さ6ないしは7mm以上のN0症例は, 選択的頸部郭清を行うべきであると考える。

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© 日本頭頸部癌学会
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