頭頸部腫瘍
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頭頸部腺様嚢胞癌40症例の臨床的検討
熊埜御堂 浩大野 芳裕藤井 正人神崎 仁
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1996 年 22 巻 1 号 p. 191-197

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抄録

1980年から1994年の15年間に当科で経験した頭頸部腺様嚢胞癌40症例について検討した。Stage I 12例, Stage II 10例, Stage III 10例, Stage IV 8例であり, 累積生存率では進行症例ほど生存率が低かった。
根治切除を目的とした手術を32例 (80.0%) に行い, 切除断端陽性例を23例 (71.8%) に認めた。
局所再発を10例に, 肺などへの血行性遠隔転移を18例に認めた。
死亡例は8例 (20.0%) であり, 担癌生存期間は平均5年2カ月で, 40症例全体の5年生存率および10年生存率は86.1%, 44.6%であった。
腺様嚢胞癌は根治切除の困難な部位に発生することが多いが, 腫瘍発育は一般に緩徐な場合が多く, 切除断端陽性症例でも放射線療法や化学療法の併用により長期にわたって制御可能な症例もみられると考えられた。

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© 日本頭頸部癌学会
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