頭頸部腫瘍
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中咽頭癌の小線源治療
その適応と治療成績
西尾 正道明神 美弥子川島 和之溝口 史樹鬼丸 力也田中 克彦浅野 勝士染川 幸裕
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キーワード: 198Au, 小線源治療, 中咽頭癌
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1999 年 25 巻 1 号 p. 14-18

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抄録

本報告ではゴールドグレイン (Au-198) 線源を用いて治療した中咽頭癌の治療成績を報告した。1983年から1997年の期間に治療した中咽頭扁平上皮癌一次症例98例のうち, ゴールドグレインを使用した34例 (一次治療27例, 再発治療7例) を分析対象とした。臨床病期ではT2症例が22例 (65%) と多かった。刺入部位は軟・硬口蓋や口蓋垂が主な部位であり, 使用方法は組織内照射32例 (94%), Mould 照射2例 (6%) であった。34例全例の一次効果はCR: 31 (88%), PR: 3 (12%) であった。局所制御は一次例で20/27 (74%) であり, T因子別ではT1: 3/3 (100%), T2: 16/19 (84%), T3: 1/5 (20%) であり, 再発例においては6/7 (86%) であった。全例の5年局所制御率は72%, 5年原病生存率は70%であった。
また根治的一次治療例24例の5年局所制御率は80%, 5年原病生存率は84%であった。ゴールドグレインによる治療は局所制御率も良好で, 味覚や唾液腺の有害事象も軽微で済むことから, QOLを考慮すれば有効な治療法と考えられた。

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© 日本頭頸部癌学会
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