頭頸部腫瘍
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口腔癌に対する浅側頭動脈より超選択的動注法を用いた化学療法の検討
組織内濃度と病理的効果
藤内 祝不破 信和林 康司光藤 健司兼子 隆次上田 実
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1999 年 25 巻 1 号 p. 59-64

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抄録

われわれは血管造影用カテーテルを改良したカテーテルを用いて, 口腔癌5例に対して浅側頭動脈より超選択的動注化学療法を術前治療 (CBDCA: 324.8±24.2mg, PEP: 32.1±5.2mg) として施行した。臨床効果はCR3例, PR2例であり, 摘出物の病理組織学的検討では, 大星・下里分類のGr. IIb: 2例, Gr. III: 3例ときわめて効果が高かった。また腫瘍切除前にCBDCAを注入し, 切除された腫瘍より白金の組織内濃度を計測したが, 従来の動注法による白金の組織内濃度より高い値であった。以上のように, この新しい超選択的動注法は直接腫瘍の栄養血管への抗癌剤の注入が可能になり, 口腔癌の新しい治療法となることが期待された。

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© 日本頭頸部癌学会
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