頭頸部腫瘍
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骨延長術と骨トランスポート法による下顎の再建
森 良之高戸 毅波利井 清紀
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1999 年 25 巻 3 号 p. 421-425

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抄録

整形外科領域で発展してきた生体の骨形成反応を利用した仮骨延長法は, 近年, 顎顔面領域においても hemifacial microsomia や小下顎症の治療に臨床応用されるようになった。
一方, 現在では口腔腫瘍切除後の下顎骨再建には, マイクロサージェリーによる遊離複合組織移植が第一選択とされる。しかし, 移植骨が短い場合や術後の瘢痕拘縮などにより口腔内スペースの狭小化が起こり, 咀嚼機能の改善が得られない場合, 下顎骨区域切除後の下顎骨欠損で移植床の吻合血管が存在しない場合, あるいは可動性を有する顎関節形成が必要な場合など, 咀嚼機能の回復は大変困難である。これらの下顎骨再建に, 骨延長術あるいは骨トランスポート法が有用であると考えられ, 最終的な義歯装着のための顎堤形成にまで適応範囲は広がっている。

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© 日本頭頸部癌学会
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