25 巻 (1999) 3 号 p. 426-432
1997年に発表されたUICCのTNM分類第5版 (以下新分類) では上咽頭癌において大幅な改訂が行われた。今回我々は, 1980年から1996年に当科にて加療した上咽頭癌一次症例69例を対象に新分類を適用し, 以前の分類 (以下旧分類) との比較, 検討を行った。新分類では病期I, 9例, II, 25例, III, 16例, IV, 19例で, 旧分類ではそれぞれ, 5例, 4例, 14例, 46例であった。新分類では旧分類と比較し砺症例が down staging となり, 旧分類でみられた病期IVへの偏りが修正された。また予後の検討では, 新分類での病期が進むにつれて生存率が低下しており (5生率: I期87.5%, II期77.8%, III期50.0%, IV期47.4%), 旧分類に比べより的確に予後を示していた。上咽頭癌の新TNM分類では, その病期が予後を検討する上で有用であると考えられた。