頭頸部腫瘍
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血管柄付腸骨移植による下顎再建例の検討
川口 浩司佐藤 淳一瀬戸 〓一坂井 陳作金城 孝
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2000 年 26 巻 3 号 p. 452-456

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抄録

口腔腫瘍切除後の口腔機能と顔貌を早期に確実に回復する目的で, われわれは口腔機能再建を目指している。そこで, 下顎の再建を行うにあたり, 肩甲骨, 肋骨, 腸骨, 腓骨を骨形態計測学的に検討した結果, その再建に最も適した移植骨として腸骨を選択し実施している。すなわち, 1. 移植骨は下顎骨の形態や骨量に類似した腸骨で行う, 2. 移植骨の被覆皮弁は薄く嵩張らないもので行う, 3. 骨移植は可能な限り一期的に行う, 4. プレートのみでの再建は行わない, などを原則としている。50例の血管柄付腸骨 (以下, VIC) 移植を行い, この骨移植の最大の利点である骨と一緒に多くの軟組織を移植できたことより, 良好な口腔機能回復が得られた。

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© 日本頭頸部癌学会
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