頭頸部腫瘍
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PETによる頭頸部癌の診断
井上 登美夫中曽根 良樹遠藤 啓吾二宮 洋鎌田 英男古屋 信彦
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2000 年 26 巻 3 号 p. 462-467

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抄録

FDG-PET検査は広く悪性腫瘍の診断法として有用であるが, 頭頸部領域の悪性腫瘍についても例外ではない。扁平上皮癌を中心とした頭頸部悪性腫瘍への集積は, 他の領域の腫瘍より高い傾向があり, 我々の施設ではSUV4前後が良性病変と悪性病変の境界であった。FDG-PETはリンパ節転移の検索にも有用であり, 我々の施設での検出率は93%であった。また, 近年の装置はFDG-PETの全身イメージングが可能であり, 頭頸部腫瘍のFDG-PET検査に新たな臨床上の役割がでてきた。すなわち, (1) 遠隔転移の診断, (2) 原発不明の頸部リンパ節転移症例における原発巣検索, (3) 頭頸部腫瘍患者の second primary tumor の検索といった頭頸部以外の病巣検索を行うことである。PET検査はFDG以外のトレーサの開発も行われており, さらに診断精度の高い検査法となる潜在能力を有している。

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© 日本頭頸部癌学会
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