頭頸部腫瘍
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吸収性生体材料ポリ-L-乳酸と自家骨髄海綿骨細片移植による顎骨再建部へのインプラントの応用
木下 靭彦横矢 重俊水谷 成孝水沼 秀之井上 聡天笠 光雄工藤 啓吾長山 勝岡部 貞夫戸塚 靖則古田 勲
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2000 年 26 巻 3 号 p. 525-530

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抄録

ポリ-L-乳酸メッシュと自家骨髄海綿骨細片による顎骨再建の有用性とインプラントの応用の可能性について報告した。
対象例は7施設で治療された41例で, 悪性腫瘍が19例, 良性腫瘍が22例であった。顎骨切除法は辺縁切除が16例, 区域切除が23例, 半側切除が2例であった。一次再建は23例, 二次再建は18例であった。治療成績は著効が19例 (46.3%), 有効が13例(31.7%), 無効が9例 (22.0%) であった。無効9例中6例は局所感染によるもので, そのうち4例は顎骨と軟組織の再建を同時に行ったものであった。このような症例を除くと成功率は86.5%であった。最長5年の観察期間でPLLAメッシュに起因する異常は認められない。また, 4例において, 骨再生部に人工歯根が埋入され, 良好な骨接合が得られた。結論的にPLLAメッシュとPCBM移植の併用は顎骨再生およびインプラントにとって有用であることが示唆された。

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© 日本頭頸部癌学会
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