2000 年 26 巻 3 号 p. 531-537
下顎骨の再建には, 骨の高さ, 厚さ, 幅から腸骨が最も適している事をすでに報告している。そこで今回は口腔機能再建を血管柄付遊離腸骨移植とインプラント義歯にて行ったので報告する。
欠損様式では片側区域切除8例, 両側区域切除5例, 半側をこえた切除2例であった。これらのインプラントの内訳は, ブローネマルク・マークII46本, ブローネマルク・スタンダード10本, ITIボーンフィット7本, 中空シリンダー2本であった。これらの患者で, インプラント義歯と従来の義歯を装着した時では, インプラント義歯装着時の方が咀嚼能力は改善する傾向にあったが, 会話明瞭度については改善傾向を示さなかった。2本のインプラントは初期に骨接合が得られず除去したが, 他の63本は良好に機能し, 良好な骨接合が得られ, 最長で7年を経過している。