頭頸部腫瘍
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血管柄付き腓骨皮弁による再建顎骨への歯科インプラントの応用
又賀 泉石原 修小林 英三郎
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2000 年 26 巻 3 号 p. 538-543

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抄録

1992年11月より導入した血管柄付き腓骨皮弁により, 口腔腫瘍切除後再建顎骨に骨内インプラントを埋入した8例について臨床的に検討した。再建部位は, 下顎7例, 上顎歯肉1例である。顎骨欠損は下顎骨区域切除後が5例, 下顎骨亜全摘, 下顎骨半側切除および上顎部分切除後がそれぞれ1例で, 再建時すべて腓骨に1か所から4か所の骨切りを行いチタンミニプレートで固定した。このミニプレートはインプラントの埋入時に口腔内より除去が可能で, 埋入前に予想した部位に埋入できた。インプラントの埋入時期は, 再建と同時に埋入 (一次埋入) されたものが2例で, 6例は再建後6か月以上経過後に二次的に埋入し (二次埋入), 合計41本が埋入された。再建と同時に埋入した2症例のうち1例において埋入された5本ののインプラント中3本が脱落し, 再度埋入を行った。上部構造体は, 2例において術者可撤式義歯を, 4例は患者可撤式義歯を製作した。埋入後インプラントが撤去されたものは一次埋入を行った1例のみで, インプラント生着率は92.7%であった。血管柄付き腓骨皮弁は広範囲顎骨欠損の再建に有用で, 腓骨はインプラントの埋入に適切な骨であることが確認された。

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© 日本頭頸部癌学会
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