頭頸部腫瘍
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3-DCTによる喉頭癌進展の診断
摘出喉頭と対比して
上村 裕和藤井 隆吉野 邦俊佐藤 武男宮原 裕福田 多介彦
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2000 年 26 巻 3 号 p. 557-566

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抄録

ヘリカルCTは, X線源の回転と患者の装置内での移動が同時に行われるために短時間にボリュームデータを得ることができるという特徴を有する. データは通常の軸位断, MPR表示法および3-D表示法で見ることが可能である。最近のヘリカルCTとソフトウェアを用いれば, 解剖学的構造や病変を詳細に評価可能である。
今回我々はヘリカルCTの利点と限界を知る目的で喉頭癌摘出標本とMPR画像, 3-D画像を比較評価した。ヘリカルCTスキャニングにより腫瘍進展を評価することを考える場合には, 3-D画像にはモーションアーチファクトや幻影を表示したり, 微小病変の表現が困難であるといった問題がある。したがって, ヘリカルCT施行前に患者に対する十分な説明を行っておくことやMPR画像の情報を考慮した3-D画像の使用が必要であると思われた。

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© 日本頭頸部癌学会
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