頭頸部腫瘍
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原発性上皮小体機能亢進症の治療経験
大森 孝一山下 勝岸本 正直辻 智子
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2002 年 28 巻 1 号 p. 148-152

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抄録

原発性上皮小体機能亢進症を10例経験した。年齢は37才~72才, 男性1例, 女性9例。臨床症状は高Ca血症8例 (無症状7例, 精神症状1例), 嗄声1例, 咽喉頭異常感1例。病理診断は腺腫9例, 過形成1例。腺腫での術前局在診断は超音波6/9例, CT8/8例, MIBIシンチ9/9例的中した。超音波で非的中の3例のうち2例に甲状腺疾患を合併していた。特異な臨床症状の2例を示す。症例 (50才, 女性)。2年間に反回神経麻痺を2回繰り返し回復。術中, 右反回神経が喉頭に入る直前で神経裏面に癒着した腫瘍を認めこれを鋭的に切除。病理診断は腺腫。術後反回神経麻痺はない。症例 (59才, 女性)。他院精神科にて妄想性障害で3年間治療されていた。高Ca血症を指摘され当院を受診。画像検査で甲状腺右葉の下方に腫瘤を認め, 摘出術を施行した。病理診断は腺腫。術後2ケ月で幻覚, 妄想は消失した。

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© 日本頭頸部癌学会
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